ホキ美術館〜茨城県近代美術館 週末美術館日和 ヴォーヴォーその4

千波湖のほとりにある『茨城県近代美術館』に到着。
さよなら滝平二郎‐はるかなるふるさとへ‐
 
滝平さんは、切り絵作家で「モチモチの木」「八郎」「花さき山」などの絵本が馴染み深く、ご存知の方も多いでしょう。初期のルオーのような素朴な木版画から、切り絵に移行すると刃の入れ方が様式美へと変化している。余白の色彩や和のモチーフと相まって、独自のスタイルを築いている。昭和40年代から朝日新聞日曜版へ、きりえ の掲載がはじまりました。当時、高度経済成長期の日本人に郷愁を誘うモチーフは幼い記憶を呼び戻します!
 
私事ですが、「八郎」には小学校の頃の深い思い出があります。
学校の発表会で、わがクラスは、八郎の朗読劇を選びました。
先生の肝煎りで、配役から舞台上に映し出される影絵製作から全て、先生のご指定です。先生は、教師になってからずっと温めていた夢だったようで、この時は先生の夢を叶えるつもりで、チームを組みます。一応適材適所にクラスの公平な推薦を募り、クラスのドリームチームとして発表会に挑む格好です。
私と佐藤さんは、拡大した絵本を切り抜き、余白にセロファンを張り、投影機で舞台に映します。
 
配役は、先生の指定です。八郎役の中島君は、乗り移ったかのような演技です。お調子者の彼の野太い声。彼が八郎になるほどにチームも熱がこもりました。
スポーツや合唱など恒例の行事とは違う発表会。いつも当たらぬ光が当たるチーム。かく言う私もそのくちでして、文武にも起たず、容姿や体躯もひけをとるから、チーム抜擢に胸躍りました。
 
そんな思い出があります。八郎が放課後に準備した楽しさを呼び起こします。